海外旅行や海外で働く際に、その国で英語がどのくらい通じるのか気になりますよね。
中には、“海外 = 英語”と考えられる人もいるかもしれませんが、ある国では英語がとても通じるし、ある国では全然通じないというように、それぞれの国で違いがあります。
インドネシア在住者がインドネシアでどのくらい英語が通じるのか紹介したいと思います。
インドネシアの公用語
まずはじめに、インドネシア語の公用語はインドネシア語です。
しかしながら、インドネシアではインドネシア語以外に700以上の言語が使われています。
えっ、700言語!!!?
ちょっと日本人にとっては想像がつかないかもしれませんが、インドネシアは多民族国家でおよそ300の民族が住んでいます。
各民族がそれぞれの言葉を持っていて、日常的にはそれらの言葉を使用してコミュニケーションを取っています。
しかし、多民族との交流や政府、学校、報道など公の場ではインドネシア語が使われています。
ちなみにインドネシアで日常的に最も話されている言葉はインドネシア語ではなく、ジャワ語です。
インドネシアの英語教育
インドネシアの教育制度は日本と同じように小学校6年、中学校3年(中学校までが義務教育)、高校3年、大学4年です。
英語教育については、小学校での必修化が義務付けられており、小学1年生から英語を学び始めます。
2020年現在、日本では小学校の英語教育は小学3年生から始まりますので、インドネシアの方が2年早く英語教育をスタートすることになります。
インドネシアでは家庭での英語教育も非常に盛んに行われており、小さい頃から英語教室に通ったり家庭教師に教えてもらったりしている家庭もたくさんあります。
インドネシア人の英語力〜日本人との比較〜
インドネシア人の英語力はどのくらいなのか、いくつかの英語能力試験を使って日本と比較しながら見ていきましょう。
TOEIC
まずは主にビジネス英語を測ると言われているTOEIC試験(2019年度)。
日本 | インドネシア | |
リスニング | 291 | 263 |
リーディング | 232 | 208 |
合計 | 523 | 471 |
順位 | 44位/50カ国中 | 49/ 50カ国中 |
※受験者数が500人以上の国
TOIECは990点満点で、日本人の合計点は523点、一方でインドネシア人の合計点は471点です。
リスニング、リーディングともに日本人の方がスコアが高いです。
しかしながら、両者の順位を見ると日本は50カ国中44位、インドネシアは49位でTOEIC受験国の中では両国とも決して高いスコアではありません。
ちなみに、同じ東南アジアの国で英語が公用語のフィリピンは合計点が713点、順位が13位。
日本と同じ東アジアの国である韓国は合計点が678点、順位が17位でした。
IELTS
次に海外留学や各国での大学に通う際に使用されている英語能力試験IELTS(アイエルツ)。
ちなみにIELTSはリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4パートがあります。
2018年度の日本とインドネシアのスコアです。
日本 | インドネシア | |
リスニング | 5.88 | 6.63 |
リーディング | 6.06 | 6.67 |
ライティング | 5.43 | 5.68 |
スピーキング | 5.56 | 6.29 |
合計 | 5.79 | 6.38 |
順位※ | 34位/40カ国中 | 19/ 40カ国中 |
※上位40カ国中
合計のスコアは日本が5.79、インドネシアが6.38でかなり差があります。
ライティングのスコアは日本とインドネシアはそんなに変わりませんが、リスニング、リーディング、スピーキング、3つのスキルについては、インドネシア人の方が圧倒的にスコアが高いです。
順位を見るとIELTS受験国の上位40カ国中、日本は34位、インドネシアは19位でした。
この結果を見ると、インドネシア人の英語力は日本人よりも非常に高いということがわかります。
参考までに、フィリピンのスコアは6.81で40カ国中7位、韓国のスコアは5.99で30位です。
TOEFL
最後にTOEFL。TOEFLもIELTSと同じく海外留学や各国での大学に通う際に使用されている英語能力試験です。こちらもリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4パートから構成されています。
2017年度TOEFLでの日本とインドネシアのスコアです。
日本 | インドネシア | |
リスニング | 18 | 22 |
リーディング | 18 | 21 |
ライティング | 18 | 22 |
スピーキング | 17 | 21 |
合計 | 71 | 85 |
順位※ | 27/29カ国中 | 8/29カ国中 |
※アジア29カ国中
合計スコアは日本が71、インドネシアが85で、TOEFLもIELTSと同様にインドネシアの方が非常に高い点になっています。
各スキルのスコアはどれも3,4ポイント、インドネシアが高いです。
TOEFLの結果もIELTSと同様にインドネシア人の方が日本人よりも英語力が高いということを示しています。
アジア29カ国の順位を見ると、日本は27位、一方でインドネシアは8位で、アジアでの両国の英語力のレベルというのがわかります。
TOEFLでも参考までにフィリピンと韓国の順位を述べると、4位と11位でした。
英語を公用語にしているフィリピンと英語教育に非常に力を入れている韓国はやはりすごいですね。
注意事項
これらのデータはあくまでも参考として考えてください。
このデータが国民全体の英語能力を示しているわけではありません。
というのも受験者の多くが英語を得意とする人や大卒などの高学歴な人が占めている可能性があるからです。
インドネシアで英語は通じる?
インドネシアで英語が通じるかどうかは地域によるところが大きいです。
ジャカルタのような大都市や、バリ島、ジョグジャカルタのような観光地では英語が通じやすいです。
大企業や外資系企業が集まるジャカルタでは、働く上で英語が話せるとうのは必須ですので、英語ができる人がたくさん集まっています。
またバリ島やジョグジャカルタのような観光地は、外個人を相手に商売しているので、英語を話す人が多いです。
逆に国際的な観光地でない場所は、英語が通じにくいです。
英語が通じる場面
モール
ジャカルタやバリ島にある巨大モール、例えばグランドインドネシアやプラザスナヤンなど、そこにいるスタッフはほぼ英語ができます。
外国でよくあることですがモールの中に地図が無いことがしばしばありますが、受付の人は英語ができますので、聞けばわかりやすく教えてくれます。
カフェ、有名レストラン
モールの中にあるカフェやレストランだけでなく、路面店でもスターバックスやマクドナルドのような有名店であれば、英語ができるスタッフがいることが多いです。
がんばってインドネシア語で話しかけても、英語で返されることはよくあります。
マッサージ
観光地のマッサージ店は外国人相手にしていることが多いので、英語が通じることが多いです。
マッサージでリラックスしながら、現地の情報を手に入れるのもありだと思います。
タクシー
タクシードライバーは観光地でなくても英語ができる人がちょくちょくいます。
といってもインドネシアはGrabやGojekなどの配車アプリサービスがとても普及していて便利です。
それらアプリを使えば会話しなくても目的地まで連れて行ってくれます。
MRTや鉄道駅、バスターミナル
MRTや中規模以上の鉄道駅やバスターミナルには英語を話せるスタッフがいます。
旅行のときに、大都市から大都市、大都市から有名観光地に行く場合は、困らないと思います。
日本語は通じる?
日本語については、バリ島以外では通じないと考えたほうがいいです。
バリ島についても、かつては日本人観光客が最も多い時期があり日本語を話す商売人がたくさんいたようですが、昨今は中国やオーストラリア、インドからの観光客が多いため、日本語を話す人は減っています。
バリ島などインドネシアにくるときには英語を勉強してから行ったほうがより楽しめます。
英語が通じない場面
逆にインドネシアで英語が通じにくい場面を紹介します。
屋台・路面店
インドネシアに来たら屋台や路面店でローカルごはんを楽しみたいという人はたくさんいると思いますが、観光地でも観光ストリート以外の屋台や路面店では英語が通じないことが多いです。
簡単なインドネシア語でいいので、覚えておくことをおすすめします。
まとめ
インドネシア人の英語レベルは日本人よりも高く、日本よりも英語が通じやすい国です。
特にジャカルタのような大都市やバリ島、ジョグジャカルタのような観光地ならば英語が通じることは多いです。